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ワイルドライスの形態観察および収量調査
2003.1.31
宇都宮大学農学部生物生産科学科
植物生産学コース 作物栽培学研究室
993148
明石 春奈
目次
要旨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
Sumarry ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
緒言 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
材料と方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
謝辞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40
引用文献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41
要旨
ワイルドライスの花は雌花が上部、雄花が下部の雌雄異花で、雌花が先に開花する.花序は、総状花序である.葯は6本である.葉の表面・裏面
ともに、平行脈の間に気孔が並んでおり、葉の組織では、維管束鞘細胞、維管束、気孔、葉肉細胞が観察できた.根の組織では、皮層に大きな
空洞が観察された.Z‐13K2品種では、5月13日から出穂が始まり、出穂の4~5日後に雄花の開花ピークとなった.谷本苗は、6月13日に出穂
が始まり、7月5日に開花が開始した.花粉飛散量は、午前中にピークとなり、晴天時に比べ,曇天時は花粉の飛散するピークの時間帯が遅くな
った.自家受粉率は4.55%、4.76%と、低い値となった.光合成速度と気孔コンダクタンス・蒸散速度においては、ワイルドライスはコシヒカリに比
べ、どの強さの光においても、低い値となった.収量は、Z‐13K2は、10aあたり163kgの収量が得られたのに対し、谷本苗は、10aあたり2.35kgであ
った.発芽率は、2ヶ月以上の冷却で、籾あり状態での浸漬が高い値となった.
Morphology and Yield of Wildrice
Haruna Akashi
Summary
Wildrice is a monoecism plant; the top of inflorescence has female flowers, below has male flowers. Inflorescence is a raseme type. There
are 6 anthers in a male flower. Stomata run in a row between the parallel veins on both surfaces of leaves. Vascular bundle sheath cells,
stomata and mesophyll cells were observed in the leaf tissue. Large lysigenous aerenechyma were found in the root tissue. First heading
time of Z-13K2 was 13th May and flowering peak of male flowers was 4~5days after heading time. On the other hand, Tanimoto's heading
time started 13th June and flowering started 5th June. Pollen shedding reached its peak during morning, but in the cloudy day, its peak
was later than that in the sunny day. Percentage of self-fertilization was low as 4.55% and 4.76%. The photosynthetic rate, conductance
and transpiration rate were lower than those of rice, Kosihikari ,under the any light intensity. Grain yield was 163Kg/10a for Z-13K2,
but it was 2.35Kg/10a for Tanimoto. Percentage of germination was increased when seeds were treated under soaking and refrigerating
more than 2 months.
緒言
ワイルドライス(Zizania palustris L.)は、北米原産の稲で、別名アメリカマコモと呼ばれる、イネ科マコモ属の植物(n=15)である.寒冷地への
順応性が高く、北日本での水田栽培の可能性が高いと考えられ、水田利用再編の対策としても興味深い(源馬ら 1993).
ワイルドライスには、ジザニア属に属し、4つの種がある.
Z.palustris L. 商業的耕作で最大、1年生 北米原産
Z.aquatica L. 1年生、食用でない 北米原産
Z.texana Hitchcock 食用でない、多年生 北米原産
Z.latifolia Turcz. アジア原産、多年生
(以上 源馬琢磨・三浦秀穂 1986 アメリカマコモ(Zizania palustris L.)種子の発芽に及ぼす浸漬処理ならびに種皮処理の効果.帯大研報
Ⅰ,15-1:65-68より)
ワイルドライスは、野生の性質を残しており、一年生の雌雄異花植物である.上部が雌花、下部が雄花で、生殖分配は平均11%くらい、最高17%
である(1984.WILLSON and RUPPEL).雌花は開花後約10日で種子が成熟、雄花は花粉放出後に脱落する.五大湖周辺と西側、アメリカのミネ
ソタ・ウィンスコンシン・カリフォルニア州、カナダのオンタリオ・マニトバ・サスカチュワン州などに分布・栽培されている.7月の平均水温20℃、無霜
日数100~120日の地域では、5月中に水中で発芽し、6月初めから8月初めまで急速に成長して出穂結実する.ワイルドライスの生育を支配する主
要な外的条件は、積算水温・水深・底土のpH・無機成分含量など(1981.LEE and STEWART)通常秋期に土地を耕起、施肥(N2O、P2O、K 100
kg/ha)の後播種して、ハローによって覆土し、翌年5月に20~30cmの水深に灌漑して、7月少量のNを追肥、8月中にコンバインで収穫.除草剤・
殺虫剤・殺菌剤も使用する.収量は、ミネソタ州で80~390kg/ha、平均180kg/ha.収穫後4~7日間発酵・火力乾燥・脱?・選別・包装などを行う.加工
歩留り約40%である.
(以上 岡彦一 1989アメリカンワイルドライス(Zizania)における栽培化と育種. 育雑 39:111-117より)
採取後、発酵・火力乾燥・脱籾された種子は、白米に比べ、タンパク質、食物繊維、鉄、マグネシウム、リン酸などの含有量が高く、肉料理、キャセ
ロール、スープ、サラダなどに用いられており、食品的価値から見ても、栄養価が高く、健康食品としても注目され始めている.1988年当時アメリカ
では、ワイルドライス225g(1/2ポンド)4.99$(674円、1$=135円)に対して、カリフォルニア白米4.53kg(10ポンド)6.99$(944円、1$=135円)約
14.3倍であった.
(以上 村上高 1988 ワイルドライスの植物学的位置と食品的価値.
農業および園芸第63巻第12号:13-15 より)
現在での日本での販売価格は、家庭用1kg 2520円、業務用10kg 15750円(株式会社ハイグリーン)カナダ産ワイルドライス454g 2200円(三島屋米店)
であり、白米のおよそ10倍の価格であった.
しかし、日本での圃場での栽培例は少ない.
そこで、本研究では、ワイルドライスの形態観察、光合成量の測定、収量調査などを行い、ワイルドライスの日本での栽培化における特徴を明らか
にする事を目的として行った.
材料と方法
供試品種は、名古屋大学和田富吉先生から譲渡していただいたZ-13K2と、札幌市の谷本旭さまから譲渡していただいた品種不明の苗を用い
た.品種不明の苗は、便宜上谷本苗と呼ぶことにした.
栽培方法
Z-13K2は、2月20日に播種したものを、4月14日に直径16cmポットに移植.100ポットに移植し、10×10で配置した.周辺2列の64ポットには、1ポ
ット当たり2苗ずつ、中央36ポットには、1ポット当たり1苗を移植し、湛水状態で栽培した.4月20日に施肥(1ポットあたり窒素0.5g)を行った.
谷本苗は、4月16日に播種し、5月20日に直径16cmポットに移植.10ポット用意し1ポット1苗で栽培した.6月10日にZ-13K2同様の施肥を行った.
調査項目および調査方法
1.形態観察
(1)花序と雌花・雄花のスケッチを行った.
(2)幼若雄花・雌花内部の観察(KEYENCE VH5910 100倍レンズにて観察)
6月3日に出穂した個体の幼穂を、6月11日に撮影した.
(3)止葉表皮の観察(KEYENCE VH5910 500倍レンズにて観察)
止葉の葉身の表・裏それぞれを7月4日に撮影した.
(4)スパー樹脂法による組織の観察
ポットに移植後28日目のZ-13K2個体の葉・根(写真15・16,P22・23参照)を、それぞれ厚さ1mm程度の切片にし、4%グルタルアルデヒドで1.5
時間固定、デシケーターで10~15分脱気した後、0.2Mリン酸緩衝液で3回リンスし、アセトン10%、30%、50%、70%、95%、100%の順で組織
内の水を置換した.その後、アセトン:スパー樹脂=1:1、アセトン:スパー樹脂=1:3、スパー樹脂100%の順でスパー樹脂に置換し、樹脂を
重合させる為にオーブンに12~18時間入れた.できた樹脂から糸ノコで組織片を切り出し、ヤスリやカミソリを用いて1~3ミリの試料ブロックを作っ
た.これをウルトラミクロトームに取り付け、ガラスナイフで薄い切片(0.5~2μm)にし、スライドグラスに付け、トイジンブルーで染色したものを電子
顕微鏡で観察した.
2.生育に関する調査
(1)出穂期・開花期の調査
供試品種は、Z-13K2、谷本苗である.それぞれの品種について、出穂日と開花日を調査した.開花日は、雄花の開花を以って開花日とした.
(2)花粉飛散量の日中変化
供試品種はZ-13K2である.花粉飛散量について、午前8時より、夕方17時まで、30分おきに計測した.無=0・微=1・小=2・中=3・多=4・
甚=5の6段階で評価し、晴天と曇天の2日間調査した.
(3)自家受精率の調査
供試品種はZ-13K2である.出穂直後の2個体に、他の花粉がつかないよう袋かけを行い、結実数をもとに自家受精率を調査した.
(4)稈長・穂長の計測
それぞれの品種から無作為に個体を抽出し、その稈長と穂長を計測した.
(5)光合成量測定
供試品種はZ-13K2である.6月19、21日に、ワイルドライスの止葉4サンプルの光合成量を携帯型光合成蒸散測定装置(ライカ社LI-6400)で
計測し、コシヒカリの光合成量と比較した.
3、収量調査
供試品種はZ-13K2と谷本苗である.種子は脱落しやすいため、成熟期の穂に袋かけを行い、7月12日より収穫開始.収穫には約2週間を要した.
収量は、空籾を除去した後、一個体ごとの籾数と籾重を測定した.
4、発芽率調査
供試品種はZ-13K2である.
(1)冷却処理による発芽率調査
収穫直後の8月1日より、籾つき、籾除去それぞれ10粒ずつを、室温、1ヶ月冷却、2ヶ月冷却、3ヶ月冷却、4ヶ月冷却、5ヶ月冷却に期間をわけ、
冷却後室温に戻し、何粒発芽するかを観察する実験を行った.室温に戻した状態から30日後までに発芽した種子の数をもって発芽率とした.
(2)高温処理による発芽率調査
Z-13K2の種子10粒ずつを、直径9cmシャーレにとり、水道水に浸漬後、30℃と50℃の恒温状態でそれぞれ7日間処理した.
(3)ジベレリン処理による発芽率調査
稲の休眠打破に有効とされる0.05%ジベレリン溶液に、収穫直後から室温で乾燥貯蔵したZ-13K2の種子10粒を直径9cmシャーレにとり、浸漬
したものを2反復行った.発芽率は、浸漬開始から30日後までに発芽した種子数をもって発芽率とした.対照実験として、常温の水に浸漬する実
験を行った.
5、葯培養実験
出穂前のZ-13K2幼若個体のおしべから、葯を取り出し、MS培地で培養実験を行った.
結果
生育経過について
Z-13K2は、2月20日に名古屋大学で和田先生が播種したものを、4月14日に譲渡してもらい、宇都宮大学でポットに移植した(写真1).移植時
は4葉期であった(写真2).生育期間中の宇都宮の気温は、第1図に示した.生育期の気温・日照ともに十分であったと考えられ、5月下旬には
出穂・開花が開始した.1個体あたり5~6本の分げつも見られた.6月下旬より、収穫準備のため、袋掛けを行い、倒伏防止のため棒を添えた
(写真3・4).種子の結実は7月上旬からで、収穫は7月12日から31日にかけて、成熟した個体から順に収穫した.
谷本苗は、4月16日に、種子を湿らせたティッシュで包んだ状態で郵送にて受け取り、直径9cmシャーレに水を張り浸漬した.4月19日頃から発
芽が開始した.発芽した個体を4月21日に育苗箱に移し、15cm程度になった苗10個体を5月20日にポットに移植した.ポットに移植する段階で
は、Z-13K2より1ヶ月遅く、6月中旬に出穂、7月上旬に開花が開始した.収穫の時期は、Z-13K2とほぼ同時期であった.個体は矮小で、穂
も小さくほとんど種子がつかなかった.これは、種子状態からの栽培であり、播種時期がZ-13K2より遅く、十分な栄養生長期間がなく、高温期
に達し、出穂開始してしまったためではないかと推測した.
1.形態観察結果
(1)花序と雌花・雄花のスケッチ
ワイルドライスの花は雌花が上部、雄花が下部の雌雄異花で、雌花が先に開花.雌花は、綿毛状の花で小穂の長さは約5cmであり、外穎の先端
に長い芒が見られる(写真5、第2図).雄花は、赤褐色の外皮の中に緑黄色のおしべが6本あり、開花すると外皮が開いて黄色く花が咲いたよう
な状態に見える(写真6・7、第3図).開花後の雄花は、脱落するものが多かった.花序は、総状花序である(第4図・第5図).
(2)幼若雄花・雌花内部の観察
幼若個体の雌花内部には、ふくらみから枝分かれした2本の突起が見られた(写真8).やや生育が進んだものの雌花の内部には、めしべの柱頭
が観察された.(写真9).雄花内部には、角状の突起2本と、小さな葯6本が観察できた(写真10・11).
(3)止葉表皮の観察
表面・裏面ともに、平行脈の間に気孔が並んでおり、表と裏の気孔の数に大きな差は見られなかった(葉表=写真12、葉裏=写真13).また、毛の
存在も確認する事が出来た(写真14).
(4)スパー樹脂法による組織の観察
固定には、写真15・16の個体を用いた.葉の組織では、維管束鞘細胞、維管束、気孔、葉肉細胞が観察できた.海綿状組織と柵状組織のはっき
りとした状態は認められなかった(写真17・18・19・20).
根の組織では、皮層に大きな空洞が観察された(写真21・22).これは、イネ科植物で観察される通気組織と考えられる.中心柱には導管と師管
が観察された(写真23・24).
1. 生育に関する調査結果
(1)出穂期・開花期について
Z‐13K2品種では、5月13日から出穂が始まり、出穂の4~5日後に雄花の開花ピークとなった.出穂6月3日に出穂のピーク、6月9日に開花の
ピークであった.結果は第1表・第2表、第6図・第7図・第8図・第9図に示した.谷本苗は、6月13日に出穂が始まり、7月5日に開花が開始した.
結果は第3表、第10図・第11図に示した
(2)花粉飛散度の日中変化について
花粉飛散量は、午前中にピークとなることがわかった.晴天時に比べ,曇天時は花粉の飛散するピークの時間帯が遅くなった.結果は第4表と
第12図に示した.
(3)自家受粉率の調査について
自家受粉率は4.55%、4.76%と、低い値となった.結果は第5表に示した.ワイルドライスは,野生種に近いため、他家受粉の割合が高いと考えられる.
(4)稈長、穂長の計測について
稈長・穂長ともに、Z‐13K2に比べ、谷本苗は貧弱であった.結果は第6表に示した.
(5)光合成量測定結果
光合成測定結果を第13図に示した.A=光合成速度、Cond=気孔コンダクタンス、Ci=気孔開度、Tr=蒸散速度、VPD=飽差、RH=湿度、WUE=水
利用効率を表している.光合成速度と気孔コンダクタンス・蒸散速度においては、ワイルドライスはコシヒカリに比べ、どの強さの光においても、低い
値となった.葉-気温差については、弱光下では、ワイルドライスの方がやや高い値を示したが、強光下では、コシヒカリの方が高い値となった.水
利用効率については、1000μmol/㎡・sまでの光条件下では、ワイルドライスの方が水利用効率が高い値を示した.光合成速度と気孔コンダクタン
スの関係では、ワイルドライスはコシヒカリとは大きく異なる値を示した.
2. 収量調査結果
収量結果は第7表・第8表に示した.Z‐13K2は、10aあたり163kgの収量が得られたのに対し、谷本苗は、10aあたり2.35kgと著しく少なかった.
また、Z-13K2における個体別の分げつごとの収量については、第9表と第14図・第15図に示した.
3.発芽率調査結果
(1)冷却処理による発芽率調査
第10表と第16図より、2ヶ月以上の冷却で、籾あり状態での浸漬が有効と考えられる.籾なしの状態での浸漬で発芽率が低下したのは、浸漬期間
が長くなるにつれ、種皮がふやけて種子の形がくずれてしまったためと考えられる.
(2)高温処理による発芽率調査
30℃処理、50℃処理ともに、発芽率は0%であった.高温処理による効果は期待できないと考えられる.
(3)ジベレリン処理による発芽率調査
ジベレリン処理と、対照して行った水浸漬における発芽率の有意な差は認められなかった.結果は第11表・第12表に示した.
以上の結果から、発芽率を上昇させるためには、収穫直後から水に浸漬し、2ヶ月以上冷却する方法が最も有効と考えられる.
5.葯培養実験結果
葯培養は、分化が見られず、失敗となった.
考察
今回の研究で、ワイルドライスのおおまかな特徴をつかむことができた.
ワイルドライスは、播種を低温の時期に行い、栄養成長の期間を十分にもうければ、十分な生育や収量がえられることが今回の実験から考えられる.
よって、日本での生育環境にも十分耐えられるといえそうだ.
発芽に関しても、2ヶ月以上の浸漬と冷却によって、安定した発芽率が得られた.しかし、脱粒性といった問題や、個体ごとの成熟期がばらばらで、
収穫のし辛さがあるため、圃場での栽培化については、今後さらなる検討が必要と考えられる.
謝辞
本研究の遂行と、本論文の作成にあたり、いつも懇切丁寧な指導とアドバイスを頂いた作物栽培学研究室の吉田智彦教授、前田忠信教授、
三浦邦夫助教授、和田義春助教授に、心より感謝申し上げます.また、本研究を始めるに当たり、苗や種子の提供と、貴重な情報を与えてくだ
さった、名古屋大学農学部和田富吉助教授、札幌市株式会社農村研の谷本旭様、谷本和紀様、実験でお世話になった育種学研究室の貝賀
信保さん、本当にありがとうございました.また、本研究を行うにあたり、絶えず励ましあい、協力して下さった作物栽培学研究室のアナスさん、
冨樫直人先輩、藤井真弓先輩、久保二郎先輩、安間洋一君、白鳥智美さん、肥田野善隆君、向田直純君、リー・トン君に厚く感謝いたします.
引用文献
岡彦一 1989アメリカンワイルドライス(Zizania)における栽培化と育種. 育雑 39:111-117
源馬琢磨・三浦秀穂 1986 アメリカマコモ(Zizania palustris L.)種子の発芽に及ぼす浸漬処理ならびに種皮処理の効果.
帯大研報Ⅰ,15-1:65-68
源馬琢磨・三浦秀穂・林克昌 1993 ワイルドライス幼植物体の生育に及ぼす水深と温度の影響.日作紀 Sci.62(3):414-418
村上高 1988 ワイルドライスの植物学的位置と食品的価値.農業および園芸第63巻第12号:13-15
インターネット参考ページ
ワイルドライスとは何なのでしょう
http://www3.plala.or.jp/nousonken/page1.htm
Grain Crops Production and Management,
A University of Winsconsin Short Course
http://corn.agronomy.wisc.edu/FISC/Alternatives/WildRice.htm
PUKASKWA COUNTRY WILDRICE
http://www.pcoutfitters.on.ca/wildrice/wirdrice%20plant.htm
Saskatchewan Interactive
http://interactive.usask.ca/skinteractive/modules/agriculture/crops/
cereals/wildrice.html
What is wild rice
http://www.css.orst.edu/cereals/grains/wildrice.htm
株式会社ハイグリーン
http://www.path.ne.jp/higreen/wild-infometion.html
三島屋米店
http://www.mishimaya.co.jp
第1表 出穂期・開花期の調査. 供試品種Z‐13K2
5/23 5/24 5/25 5/26 5/27 5/28 5/29 5/30 5/31 6/1 6/2 6/3 6/4 6/5 6/6 6/7 6/8 6/9 6/10
出穂個体数 2 3 8 6 2 2 10 13 8 12 8 17 12 15 11 8 6 1 0
5/28 5/29 5/30 5/31 6/1 6/2 6/3 6/4 6/5 6/6 6/7 6/8 6/9 6/10 6/11 6/12 6/13 6/14 6/15
開花個体数 2 2 3 1 4 14 9 3 13 21 7 16 29 1 4 5 13 5 2
第3表 出穂期・開花期の調査. 供試品種谷本苗
6/13 6/14 6/15 6/16 6/17 6/18 6/19 6/20 6/21 6/22 6/23 6/24 6/25 6/26
出穂個体数 1 1 0 6 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1
7/5 7/6 7/7 7/8 7/9 7/10 7/11 7/12 7/13 7/14 7/15 7/16 7/17 7/18
開花個体数 6 2 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0
第4表 花粉飛散度の日中変化.
8:00 8:30 9:00 9:30 10:00 10:30 11:00 11:30 12:00 12:30 13:00 13:30 14:00 14:30 15:00 15:30 16:00 16:30 17:00
晴天 3 5 5 5 4 4 3 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0
曇天 1 1 1 2 5 5 5 4 2 0 1 1 1 1 1 1 1 0 0
第6表 稈長・穂長の計測.
Z‐13K2 平均 標準偏差
稈長 90.3 64.9 83.1 89.9 80 93.6 50.8 53.8 60.4 79.6 65.6 74 73.6 72 86.4 98.8 76.05 14.24 n=16
穂長 29.8 27 24.9 36.6 30.4 27.6 32.6 25.4 29.8 28.6 23.2 28.4 31.2 26.4 27.8 40.4 29.38 4.36 n=16
谷本苗 平均 標準偏差
稈長 43 30.1 39.9 44.1 39.28 6.37 n=4
穂長 14.3 19.9 20.4 23.2 19.45 3.73 n=4
第5表 自家受粉率の調査.
個体1 個体2
雌花数 22 21
結実数 1 1
自家受粉率 4.55% 4.76%
第7表 収量調査結果 供試品種Z‐13K2
1個体籾数 1個体収量(g) 収量(g/㎡)
中央個体 120.8 4.18 163
周辺個体 59.76 2.26 172
*籾数は,空籾除去後の籾数
第8表 収量調査結果 供試品種谷本苗
1個体籾数 1個体収量(g) 収量(g/㎡)
2.3 0.06 2.35
*籾数は,空籾除去後の籾数
第9表 個体別収量調査結果(収量).Z-13K2
収量(g) 収量(g) 収量(g) 収量(g) 籾数 籾数 籾数 籾数
主稈 1.6 0.72 0.25 1.51 37 17 6 33
分げつ1 1.51 0.48 0.62 1.16 36 13 15 25
分げつ2 1.42 0.45 1.32 1.37 48 11 30 36
分げつ3 1.64 1.09 0.83 1.47 45 29 17 50
分げつ4 0.73 0.84 0.58 0.96 29 21 15 36
分げつ5 1.08 0.67 0.52 1.33 39 22 14 54
その他 0.6 0.71 0.83 2.55 20 20 22 99
合計収量 8.58 4.96 4.95 10.35 254 133 119 333